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[イベントレポート]福祉人材戦略フォーラム2016を開催しました!

2016年7月2日(土)、FACE to FUKUSHIは「福祉人材戦略フォーラム」を開催しました。
全国から15名もの豪華ゲストが集い、あらゆる角度から福祉人材を確保するための戦略が議論、検討されました。

 

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災害支援が人材育成の機会に

最初のプログラムは基調鼎談「福祉を再考する。 〜熊本地震の支援現場から、福祉の魅力を考える〜」です。

熊本地震の災害支援に携わってきた福祉法人のゲストから、人材育成の視点からの災害支援の重要性や必要性、災害支援を通して見えてきた福祉の価値についてお話いただきました。

災害支援は、人材育成の観点からも意味深いものになったそうです。(社福)福祉楽団常務理事の飯田大輔さんは、緊急時に知らない土地、法人、利用者と関わることで、自らの仕事を客観的に見ある機会になったといいます。「仕事の社会的な意味を知る機会になった災害支援は、職員の仕事への動機づけにも効果がありました。これからは報酬よりも、やりがいや仕事の意味を感じられるかといった『内発的動機づけ』が大切になってくるのではないでしょうか」と話します。

 

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(社福)南高愛隣会理事長の田島光浩さんは、被災地支援は職員が自分の仕事に自信を持つきっかけになったといいます。「福祉はあまりいい印象ではありません。世間からの評価が低く肩身がせまい、と話していた職員もいました。その職員は被災地に派遣されて、息子に「かっこいい」と言われたことで、自分の仕事に自信を持つ事ができるようになったんです。平時でも職員にそう思ってもらえる仕掛けをつくっていきたいですね」と話されました。

 

 

「楽しさをおすそわけ」若者に福祉を届けるための取り組み

次に行なわれたプログラムは、シンポジウム1「人材確保最前線 〜若者が集まる福祉を描く〜」です。

アートや音楽、エンターテイメントの力を活かして若者向けのイベントなどを行なっているNPO法人Ubdobe代表理事 岡勇樹さん、人口2300人の離島に若者を集めるプロジェクトを仕掛けている、海士町社会福祉協議会 事務局長片桐 一彦さんにお話を伺いました。コーディネーターは立正大学社会福祉学部専任講師 川本 健太郎先生です。

 

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「楽しさをおすそわけできるような広報戦略が求められる」「音楽イベントから福祉を知ってもらうなど、多様なルートをつくり、無限の可能性を提示する」など、特定の人しか入れないと思われている福祉への敷居をいかに下げ、足を踏み入れてもらえるか。そうした方法や可能性を考えるヒントに溢れたセッションでした。

 

 

「ビジョンを実現するために」社会起業家から見る人材確保戦略

続いて行なわれたシンポジウムのテーマは、「社会起業家から見る人材確保戦略 〜昔のやり方はもう古い。これからの人材確保戦略とは〜」です。

社会課題に取り組む社会起業家のゲストから、それぞれの法人の特色を活かしたユニークな採用活動について伺いました。

ゲストは認定NPO法人Switch理事長 高橋 由佳さん、NPO法人み・らいず代表理事/一般社団法人FACE to FUKUSHI 共同代表河内 崇典、コーディネーターはNPO法人ETIC.理事 兼 事務局長鈴木 敦子さんです。

認定NPO法人Switchでは中途採用を中心に、多様なメンバーが働いています。福祉の業界ではめずらしく、「未経験者歓迎、無資格歓迎」を打ち出しているそうです。理事の高橋由佳さんは「福祉職とそうでない人が集まると化学反応がおきて、創造的なアイディアがうまれたりします。また、企業での仕事を知っているメンバーが入る事で、内向きのルーティンワークでなく、外に働きかけられるような仕事ができます」と話します。

 

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NPO法人み・らいずでは新卒採用を中心に行なっているそうです。「10年先のことを見据えて新卒採用を行なっています。新卒から育成することで、将来組織を担う人材が育ちます」と話します。若者に届くよう10年かけてブランディングを行い、伝えるメッセージや届ける媒体に工夫を凝らしています。

それぞれの団体が、法人のビジョンを実現するために必要な人材を得るために行なっているさまざまな仕掛けを伺うことができたセッションでした!

 

 

福祉の魅力を学生に伝える

「社会福祉法人が生き抜くための人材確保戦略 〜これまでの地域福祉を作り上げてきた社会福祉法人が発展すれば未来は明るい〜」です。

3つの法人に共通していたのは、福祉や法人の魅力をしっかりと整理し伝えていること。

 

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社会福祉法人フラット理事長の林晃弘さんは、一般企業を目指す学生など、福祉の道へ進むことを考えていなかった学生に福祉の魅力を伝え、関心を持たせています。174社中唯一の福祉法人として参加した合同説明会では、説明を聞いた225名中45名がエントリーしたそう。「3月ということもあって、多くの学生は職種が明確に決まっていません。学生の話を聞きながら、福祉の話を聞いてもらいました」と話します。

南山城学園では、「福祉人材確保が困難なのは、自分たちの魅力が伝わっていないからではないか」と考え、GAKUEN魅力発信チーム「GKN」を結成しました。外部と比較しながら自分たちの魅力を考え、就活中の学生にどういう風に伝えていくべきなのかを考え抜きながら活動を行なった結果、エントリー数が40%増。「年齢の近い職員が活き活きと自分の仕事を語り、目標と誇りを持っている姿が学生たちの記憶にも残ったようです」と企画広報課長の岩田貞昭さん。

福祉楽団では、自分たちのサービスが地域の中で成り立っているということを伝えるために、地域を歩く採用ツアーを行なっています。人事部採用プロジェクト担当の在田創一さんは、「地域の人たちがリクルーターになってくれるという効果もあります」と話します。地域住民と学生が交流を行なう中で、「一回だけ会うのは寂しいから、また会いたい」と学生に話す住民の方もいらっしゃるそうです。

 

 

地域や制度コミュニティを創っていく人材へ

最後のセッションは、「これからの福祉とこれからの福祉人材 〜それぞれの専門分野から考える〜」をテーマとしたクロストークです。

社会活動家/法政大学現代福祉学部教授の湯浅 誠さん、社会福祉法人ゆうゆう理事長/一般社団法人FACE to FUKUSHI共同代表の大原裕介が登壇しました。

 

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未来の福祉を予想しながら、どんな人材が必要か、どんなキャリアが描けるのかということを議論しました。最後に湯浅さんから「地域や制度、コミュニティを創っていくのが広い意味の福祉人材。その創り手として自覚と実践があると、福祉はもっと魅力的にみえるようになってくるような気がします」とメッセージが送られ締めくくられました。


参加者からは、「自分自身が仕事にワクワクしていないときがあって、学生に嘘を付いている気になっていた。堅苦しく考えず改革していきたい」「カッコイイ福祉をやっていきたい」などの感想がありました。

今回もたくさんの方に支えられてフォーラムを実施することができました。関わっていただいたみなさま、当日お越しいただいたみなさま、本当にありがとうございました!

 

 



[イベント詳細]

http://f2f.or.jp/forum201607/

【イベントタイトル】
福祉人材戦略フォーラム

【日 時】
2016年7月2日(土) 11:30〜17:30(懇親会は18:30〜)

【会 場】
ベルサール泉ガーデンギャラリー(東京都港区六本木1-5-2)
※懇親会は日本財団ビル8階(東京都港区赤坂1-2-2)

【プログラム】
11:30-11:45オープニング

11:45-13:00基調鼎談
「福祉を再考する。 〜若者に伝える、福祉の魅力を考える〜」

13:10-14:05シンポジウム1
「人材確保最前線 〜若者が集まる福祉を描く〜」

14:10-15:05シンポジウム2
「社会起業家から見る人材確保戦略
 〜昔のやり方はもう古い。これからの人材確保戦略とは。〜」

15:10-16:05シンポジウム3
「社会福祉法人が生き抜くための人材確保戦略
 〜これまでの地域福祉を作り上げてきた社会福祉法人が発展すれば未来は明るい〜」

16:15-17:15クロストーク
「これからの福祉とこれからの福祉人材
 〜それぞれの専門分野から考える〜」

17:15-17:30クロージングセッション

【参加費】
2,000円(学生は無料)
※懇親会は別途4,000円(学生は2,000円)

【対 象】
行政、社会福祉協議会の人材担当者、福祉法人の経営者・人事担当者で、福祉人材確保に関して興味関心のある方

【参加者】
232名(ゲスト、運営スタッフ含む)

主 催:一般社団法人FACE to FUKUSHI
助 成:公益財団法人日本財団